古本屋の役割

著者がどんな人物なのかを知ることは、古本屋にとって最も重要な事柄です。著者についていろいろな情報を知っていれば、どんな本なのかはすぐにわかります。 その本の著者はどういう経歴の、どんな人物なのか。師匠は誰で、弟子筋は誰なのか。著者 についての知識をどれだけもっているかは、古本屋にとって大きな財産になります。それによって、空間的・時間的なつながりを把握することができ、その本が歴史的文脈のなかでどのような位置にあるのか、また現代社会での意味や価値というものを知る手がかりにもなります。 しかし、その本がどういう本なのか、つまり、その本がもつ意味や価値といったものは必ずしも 一つではなく、時間とともに変遷していく場合もあります。 古本屋が、初版の出版時に著者や出版社が意図したこととは違う文脈で本を売ったとしても、ま ったく問題はありません。むしろそのように、本の価値を時代に合わせて新たに創造していくこと が、古本屋の究極の役割といってもいいでしょう。