委託販売

新刊書店の特徴として、委託販売があります。新刊書店の本は、原則として出版社に返品することが可能です。 書店に並んでいる本は、大きく二種類に分けられます。一つは新刊書として毎日送られてくる 「新刊委託」の本、もう一つはロングセラーのもので、年に一回交換する「常備寄託」の本です。 新刊委託は、百五日以内に返品すればいいのですが、実際には書店に送られてきたその日のうち に、一度も棚に並べることなく返品される本も多いようです。昨今の新刊書の返品率は40%前後 といわれています。 常備寄託は、出版社が作ったセットを丸ごと一年置いて、売れた分だけ補充して支払いする仕組みです。たとえ書店に並んでいる本であっても、帳簿上は出版社の在庫としてカウントされます。 そのほか、「長期委託」といって、書籍の問屋にあたる取次店が作った季節ものの商品セットな どが、六カ用単位などで委託されることもあります。 このあたりのシステムは複雑で、書店や取り引き先の取次店によっても異なるようです。また雑誌については、用刊誌であれば二カ用程度といったように、刊行間隔によって返品期限が決まりま す。 これらの出版社の本を全国の書店に 送り届けているのが本の卸売商である取次店で、本の運輸、情報伝達、決済などの機能をもってい ます。いわば新刊書流通の要になっているわけです。なかでも日販の二社が取次店業界のシェアの半分を握っていて、出版社はこうした大手取次店と取り引きができな いと全国の書店に自社の本を配ってもらえません。 また新刊書店は、取次店が配本してくる本のなかから店に置く本を選ぶしかありません。したがって、売れ筋の本を希望どおり配本してもらえない場合もあり、これが書店にとっても泣きどころになっているようです。