古本屋は物販業

古本屋は物販業です。本を仕入れてそれを販売する。それが古本屋の骨格です。品物を仕入れて販売する。その間にも仕入れをし、また販売する。このサイクルを絶えず繰り返します。
 商品を陳列したり、売り上げを記録し、品物の仕入れと販売のバランスを調整します。こうした販売の基本は、古本屋もほかの一般的な物販業と同一だと思います。
 古本屋で扱うものはほぼ”一点もの”に限られています。その点を除けば、古本屋の経営もほかの商店の経営と基本的には同じだといえるでしょう。他業種の業者が培ってきたテクニックは古本屋にも応用できます。むしろ、書店が行ってきた販売方法は他の物販業の素地を作ったとも言えます。
これは商売に限定した話でははありませんが、一度完成度が高い方法確立されてしまうと、後に変更していくのは困難なこともあります。最初は先頭を走っていても、そのあとに改善のための努力をせずに、かつての栄光を追い続けていると、すぐに後続の人たちに追い抜かれてしまいます。これは古本屋業界だけでなくどんな世界でもよくあることでしょう。
 当初は最善の方法と思われていたものでも途中から、かえって足かせになってしまうこともあります。
 戦後、委託販売と再販制度という仕組みによって、国内に無数にある出版社の何十万種類もの本を日本中どこでも同じ価格で入手できるようになりました。出版社から全国の書店に配本され、読者がほしい本が手に取れるようになるのです。取次店と小売書店のマージンを抑え、非常に安くかつ能率的に本が流通させることができる仕組みを作り上げました。出版社は書店を広義の意味での倉庫代わりとして、少しずつ売れる本を長きにわたって絶版にすることなく販売を続けることができましたし、それによって書店側も低リスクでで沢山の本を店頭に並べ、お客様へと提供することができました。この仕組みが日本人全体の教養を高めたといっても過言ではないのではないでしょうか。
 

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